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2025-10-13 ドル円週報

2025-10-13 · fx
最終更新: 2025-10-13
FXUSDJPYWeekly

前週のドル円動向を振り返り、今週の主要イベントとシナリオを整理する。政府閉鎖による米経済統計の延期や日本の新政権誕生を踏まえた相場見通し。

#🧭 今週の総括(2025/10/13–10/17)

10月13日週のドル円は、米政府閉鎖による統計発表延期と高市新政権を巡る政治不透明感が綱引きとなり、リスクオフの円買い優勢で推移した。
週初152円台からスタートし、高市政権への財政期待で152.61円まで上昇したものの、豪雇用やフィラデルフィア連銀指数の悪化を受けて米金利が低下し、週末には149.38円まで下落。
最終的にNY終値は150.59円(前週比−0.98%)で着地した。


#📅 今週の振り返り(イベントカレンダー+結果+ドル円の動き)

日付主なイベント / 指標結果・要点ドル円の動き(東京時間〜NYクローズ)
10/13(月)🇨🇳 貿易収支(9月)+904.5億$(予想+980.5億$)黒字縮小で世界景気懸念。高市政権への期待で円安先行。東京:152.1円→欧州:152.46円→NY:152.28円(小幅上昇)
10/14(火)🇬🇧 平均賃金 +4.7%(予想+4.8%)/失業率4.8%英賃金鈍化でリスク回避。欧州株安。東京:152.5円→欧州:152.61円→NY:151.82円(下落へ転換)
10/15(水)🇨🇳 PPI −2.3%/CPI −0.3%/🇺🇸 NY連銀指数 +10.7(予想−1.8)NY連銀指数の好結果もCPIデフレで上値重い。東京:151.7円→欧州:151.3円→NY:151.05円(続落)
10/16(木)🇦🇺 雇用 +14.9万人(予想+20万)/🇺🇸 フィラデルフィア連銀 −12.8(予想+10.0)豪雇用・米製造業ともに悪化しドル売り優勢。東京:151.0円→欧州:150.5円→NY:150.44円(下落)
10/17(金)🇪🇺 CPI確報 +2.2%(予想一致)/米株反発米金利下げ止まり・週末ショートカバー。東京:150.1円→欧州:149.38円→NY:150.59円(反発で引け)

週レンジ:152.61(10/14)〜149.38(10/17)
週末引け:150.59円(−0.98%)
米10年債利回り:4.0581% → 4.0098%(−4.8bp)


#🔮 次週の展望(10/20〜10/24)

#🗓 イベントカレンダー(予定・JST)

日付イベント・指標注目ポイント
10/21(月)日本:全国消費者物価指数(速報)コアCPIが2.8%を維持なら日銀スタンス変化観測。
10/22(火)米:中古住宅販売件数景気鈍化傾向継続で円買い要因。
10/23(水)日本:貿易収支輸入超過拡大なら円安材料。
10/24(木)米:9月CPI(延期分)最大注目イベント。予想3.1%を下回れば利下げ観測強化。
10/25(金)FRB:パウエル議長講演10月末FOMCへの言及に警戒。

#テクニカル展望

  • 週足(W1):下降チャネル維持。陰線引け。上値は151.8円付近で重く、下値149.3円が短期サポート。
  • 日足(D1):20MA(151円)を明確に下抜き、200MA(148.9円)付近で下げ止まり。
  • 4時間足(H4):151.5円に戻り売り圧力。150円近辺で押し目買い。
  • 1時間足(H1):RCI短期が中立付近で横ばい。方向感乏しいレンジ相場。
  • 15分足(M15):150.2〜150.8円でのスクイーズ継続。イベント待ち。

#ファンダメンタル展望

  • 米国要因:政府閉鎖継続によりCPI等が24日に集中。結果が予想3.1%を下回れば円高シナリオ、上回れば再度151円台回復へ。
  • 日本要因:高市政権の補正予算と日銀政策据え置き観測が焦点。コアCPIが高止まりなら利上げ観測が再燃し円買い圧力に。
  • リスク資産動向:NASDAQとS&P500は上値重く、株価軟調が続けばドル円も上値抑制。
  • 地政学要因:中東情勢(イラン・イスラエル)や欧州政治リスク(伊財政協議)も円買い要因。

#🎯 トレード戦略

シナリオ条件想定レンジ方針
基準(60%)CPI延期・政府閉鎖継続150.0〜151.8円戻り売り優勢。上値151.5〜151.8円を売り場に。
円安(25%)CPI上振れ・株高151.8〜152.8円押し目買い150.4〜150.6円。
円高(15%)CPI弱化・地政学悪化149.0〜150.0円戻り売り150.8円前後、下値149円台を狙う。

運用指針:指標前は軽ポジ、結果を見て追随。スリッページ想定、浅いSL+再エントリー戦略。


#⚠️ リスク分析(詳細)

  1. 米政府閉鎖の長期化
    • 雇用統計・小売・住宅・CPIが10/24以降に集中
    • 発表同日に複数指標が重なることでボラティリティ急拡大の可能性。
    • ヘッジ縮小→逆指値拡張→再縮小の三段対応を推奨。
    • 発表前のドル円建てポジションは最大保有量の50%以下が望ましい。
  2. 米中摩擦・地政学リスク
    • トランプ前大統領の対中100%関税表明に中国が報復示唆。
    • 株価下落→金利低下→ドル安/円高の連鎖が生じやすい。
    • 中東情勢の緊迫(イラン・イスラエル)や欧州政局不安も安全資産としての円買い要因
  3. 日本政治・財政の不透明感
    • 高市政権下の連立協議が難航し、補正規模と財政規律の両立が焦点。
    • 大型補正=円安要因、規律懸念=円高要因と方向性が二極化
    • 財政拡張と増税観測のニュースが交錯すれば1日で±1円変動のリスク。
  4. 介入・口先介入リスク
    • 財務省が注視するラインは149円割れ・152.6円突破
    • 東京時間に急伸・急落が発生した場合は口先介入〜実弾介入の可能性。
    • 急変動時はストップを浅め(20pips前後)に設定し再エントリー前提のトレード管理が必要。

#📚 参照