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2025-10-20 ドル円週報

2025-10-20 · fx
最終更新: 2025-10-20
FXUSDJPYWeekly

前週のドル円動向を振り返り、今週の主要イベントとシナリオを整理する。政府閉鎖による米経済統計の延期や日本の新政権誕生を踏まえた相場見通し。

🧭 今週の総括(1〜2文)
米政府閉鎖下でも9月CPIと米フラッシュPMIが公表され、金利は横ばい〜僅か低下、ドル指数は小幅続伸、株価は史上高を更新。円はリスクオンと国内PMI軟化の組み合わせで売られ、USDJPYは150.27〜153.06円の上昇レンジ、週終値は152.81円(+1.32%)


#1) 参照週報(自著)


#2) 実績データ(2025-10-20〜2025-10-26, JST)

  • USDJPY(週足ベース)
    • 始値 150.823円 / 高値 153.062円 / 安値 150.266円 / 終値 152.810円 / 騰落 +1.987円(+1.32%)
  • 主要イベント結果(抜粋)
    • 米CPI(9月):総合 +0.3% m/m, +3.0% y/y/コア +0.2% m/m, +3.0% y/y
    • 米フラッシュPMI(10月):総合 54.8(サービス堅調)
    • 日本・フラッシュPMI(10月):製造業 48.3(19カ月ぶり低水準)
    • 米政府閉鎖:10/1開始、今週も継続。
  • 米10年債利回り(週末終値ベース)3.997%(先週末4.009% → -1.2bp
  • ドル指数 DXY(週末終値ベース)98.95(先週末98.43 → +0.52pt

※価格・金利は日次終値(米市場クローズ)対応。週次はJST週(10/20〜10/26)に整合する日付の終値で集計。


#3) 検証:週報(見通し)と実績の照合

  • 当たった点
    • データ減の地合いでもヘッドライン(CPI・PMI・政局)への感応度が高い → 今週はCPIとPMIが主材料となり、他の政府統計は遅延。
    • 円安基調の維持:週レンジ上限は153.06円、終値152.81円と上向きで着地。
    • 政府閉鎖の市場影響は限定的に:金利は週末比-1.2bpの微減、株高・DXY上昇と整合的。
  • 外れた点
    • ボラ抑制想定に反し、週レンジは2.80円とやや拡大(政治・PMI・CPIが重なり変動拡大)。
    • 金利連動の円安想定は弱く、今週の円安ドライバーは株高・リスクオンと国内PMI軟化の寄与が相対的に大きかった。

#4) 📊 検証サマリー(価格・イベント・金利bp)

  • 価格:USDJPY +1.32%(150.82→152.81)
  • イベントCPI 3.0% y/y(やや下振れ)+米PMI 54.8(景気強め)→「利下げ観測継続 × リスク資産上昇」のミックス
  • 金利:米10年 -1.2bp w/wDXY +0.52pt w/w → 「金利横ばい〜低下でもドル指数は小高い」=円安は金利よりリスク・相対景況感に反応

#5) 📅 今週(2025-10-20〜2025-10-26)=実績(JST)

日付主要イベント・結果相場反応(因果)
10/20材料乏しい(政府閉鎖継続)USDJPY 150円後半で小動き(様子見)
10/21正式統計乏しい中、リスクセンチメント改善リスクオンで+0.81%、151円台後半へ
10/22金利横ばい、ドル指数ほぼ不変152円手前で小高い(買い優勢の継続)
10/23ドル指数小幅高152.56円へ続伸(ドル買い・円売り)
10/24米CPI 3.0% y/y、米PMI 54.8、米株は史上高金利小動き・株高維持下で153.06円を試す

※日別の高安・終値は日次終値・高安より要約。CPI/PMIは米東部時間の公表だが、JST週に含めて評価。


#6) 🔮 次週(2025-10-27〜2025-11-02)=見通し

基本観

  • イベント密集週FOMC 10/28–29, BOJ 10/29–30, 東京CPI 10/30)。政府閉鎖で米BEA系(GDP/PCE)に遅延リスク
  • シナリオ分岐は(A)FOMC利下げ&ハト派 vs (B)FOMC利下げも中立的ガイダンス。BOJは据え置きがメインケース、声明・展望レポートのトーンが焦点。
イベントカレンダー(JST)
日付内容注目点
10/28(火) 23:00米CB消費者信頼感(10月)政府統計欠落下の民間センチ指標
10/29(水)〜30(木)FOMC(声明:10/30 03:00想定)25bp利下げの有無・声明文の労働市場文言
10/29(水)〜30(木)日銀・金融政策決定会合据え置きメイン、成長・物価見通し、円滑化策
10/30(木) 23:30東京CPI(10月)サービス価格の粘着性・インフレ基調確認
10/30(木)〜11/1(土)米GDP(1次)/PCE予定通りなら重要、遅延リスク高
テクニカル(W1/D1/H4/H1/M15)
  • W1:上昇チャネル上限付近。153.0〜153.2が週足レジスタンス、上抜けで154.0/154.6
  • D1:5日線>25日線。押し目は152.0、割れで151.4
  • H4/H1152.2–152.0に密集サポート、153.2に直近高値ゾーン。
  • M15:イベント前はブレイク狙いのフェイク増、髭管理(終値基準)推奨。
ファンダ要因
  • FOMC:CPI下振れとPMI堅調のミックスでハト派バイアス
  • BOJ:国内PMI軟化とコアCPIの粘着で据え置き・文言微調整が基本線。
  • 相関株高・原油安→リスク選好の円売り継続、米10年横ばいでもDXY小幅堅持なら上方向優位。

#7) 🧮 週次比較行(先週比)

  • 週レンジ150.27–153.06円(幅 2.80円
  • 週終値152.81円(先週末150.48円+2.33円 / +1.55%
  • 米10年3.997%(先週末4.009%-1.2bp
  • DXY98.95(先週末98.43+0.52pt

#8) 🎯 戦略メモ(シナリオ・条件・リスク管理)

  • 基本戦略(買い回転)152.2–152.0円押し目買い/SL 151.40円TP 153.40→153.90円
  • ブレイク戦略153.20円上抜け→153.50/154.00円FOMC/BOJ直前はサイズ1/2
  • 逆張り警戒151.90円割れ確定(H1終値)で短期巻き戻し→151.00円までの調整シナリオ。
  • イベント対応FOMC/BOJ/東京CPIの30分前後は新規エントリー回避、既存ポジは実弾SL必須

#9) ⚠️ リスク要因

  • 当局の口先介入・実弾介入(レベル感に依存、イベント週は警戒度上げ)
  • 政府閉鎖の長期化による米公式統計の追加遅延(PCE・GDP等)
  • 地政学・通商ヘッドライン(関税・サプライチェーン)での突発的リスクオフ

#🔗 参照URL(記事・データ出典)