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2025-10-20 Gold週報

2025-10-20 · fx
最終更新: 2025-10-20
CommoditiesGoldWeekly

前週の金相場動向を振り返り、今週の主要イベントとシナリオを整理する。金利動向、ドル指数、株式市場との相関を踏まえた見通し。

  • 方向性:金(XAUUSD)は週初に史上高値を更新後、急反落→持ち直し→週末軟化で引け。週次では -3.24%
  • ドライバー
    1. ドル指数(DXY)+0.52pt(週比)で逆風、
    2. 米10年金利は週比±0bp(4.02%)で方向感に乏しく、
    3. 株式は史上高値更新級のリスクオン
    4. 原油はWTI +6.9%週高でインフレ懸念を一部再点火。
      これらの組み合わせは「ドル高+リスクオン+利回り横ばい」=金には下押しのセットアップ。
  • フロー面:直近までの記録的な資金流入が積み上がった一方、週央の利食い・過熱修正が顕在化。

📊 検証サマリー(実績データ)

  • XAUUSD週次OHLC(JST基準・USD/oz)
    • Open 4,251.82(10/20) / High 4,381.60 / Low 4,004.69 / Close 4,112.10(10/24)
    • 週次騰落率-3.24%(前週終値 4,249.98 → 4,112.10)
  • 金利・ドル
    • 米10年(DGS10)4.02% → 4.02%(±0bp w/w)
    • DXY98.43 → 98.95(+0.52pt、+0.53% w/w)
  • リスク資産
    • S&P500:週次 +1.9%前後で最高値圏、NASDAQ+2.3%程度の上昇。
  • エネルギー
    • WTI57.54 → 61.50(+6.9% w/w)Brent+7.6% w/wと大幅高。

✅ 当たった点 / ❌ 外れた点(週初見通し vs 実績)

注:SamuraiQuant公式のGold週報(今週の見通し)は該当週に未掲載のため、外部の週次見通し記事・市場コンセンサスを代理参照して検証。

  • 過熱感による調整リスク:テクニカル過熱を背景に大陰線の反落を警戒する見解は概ね適中。週央に単日▲5%超の急落局面。
  • 高値圏維持(4,240上での持ち合い):一部の上値維持/続伸シナリオは不発。終値は4,112と節目4,200割れで終了。

📅 今週の振り返り(実績)

今週(2025-10-20〜2025-10-24)=実績
日付主要イベント/結果金相場・市況(終値ベースの動き/メモ)
10/20(月)史上高値更新のヘッドライン+2.8%、高値4,381.6到達後に上ヒゲ。DXY小幅高、米10年4.00%。
10/21(火)過熱修正・ポジション解消-5.3%の急落(12年ぶり規模の下げ報道)。リスクリバーサル拡大。
10/22(水)PMI/リスク環境はまちまち-0.8%。WTI反発($58.5)も、金は戻り鈍い。米10年3.97%
10/23(木)エネルギー急伸・株高継続+0.8%。WTI+5.6%、DXY横ばい。買い戻し優勢も上値重い。
10/24(金)米CPI低下→利下げ観測強化-0.34%。株は史上高水準、ドルはじり高、金は戻り売りに押される。

🔮 次週の展望(見通し+イベントカレンダー)

次週(2025-10-27〜2025-10-31)=見通し
  • 基本シナリオ
    • FOMC(10/28–29)25bp利下げ観測が支配的。名目金利の一段低下が示唆されれば上振れ余地。一方、声明・記者会見がタカ派(QT/バランスシート)なら上値は抑制
    • 米Q3 GDP(10/30)が強め→ドル高・金逆風、弱め→金の下押し後に買いの二段シナリオ。
    • PCE(9月、10/31)が素直に鈍化なら金追い風
  • テクニカル(W1/D1/H4/H1/M15)
    • W1:長い上ヒゲと実体陰線→上昇トレンドの過熱調整局面
    • D14,200(節目・レジ)/ 4,160–4,180(戻り売り帯)/ 4,000–4,020(心理・押し目)を主要レベルに。
    • H4以下4,080–4,100での下げ止まり確認→順張り回帰が機動戦略。
  • イベントカレンダー(JST)
    日付指標/イベント注目ポイント
    10/27(月)米耐久財受注(9月・速報)/新築住宅販売製造業サイクルの基調。強→ドル高、弱→金支援。
    10/28–29FOMC(政策発表/会見)25bp利下げの可否声明のバランス(雇用重視か、インフレ再加速警戒か)。
    10/30(木)米GDP(Q3・速報)サプライズの方向でドル/金の瞬間風速に注意。
    10/31(金)個人所得・PCE/コアPCE(9月)インフレ鈍化確認なら金追い風、逆なら重し。

🧮 週次比較行(先週比)

週レンジ 4,004–4,382 | 週終値 4,112(-3.24% w/w)| 米10年 4.02%(±0bp w/w)| DXY 98.95(+0.52pt / +0.53% w/w)


🎯 戦略メモ(トレード・リスク管理)

  • 押し目買い4,080–4,100での反転確定(H1/H4で陽転)4,160/4,200/4,240分割利確、損切り 4,000割れ
  • 戻り売り4,200±20上値停止ならショート回転→4,140/4,1004,240明確突破で撤退。
  • イベントリスク対応FOMC/ GDP / PCE前後はポジ縮小スリッページ前提の逆指値徹底。
  • 相関の使い方
    • DXY↗ × 株高の組み合わせは金↘バイアス。
    • 米実質金利↘(名目低下 or 期待インフレ↗)なら金↗に傾斜。
    • 原油↗インフレ再燃警戒→金のボラ拡大要因(方向は声明次第)。

⚠️ リスク要因

  • タカ派サプライズ(QT強化・早期打ち止め示唆)→ドル急伸/金急落
  • 地政学の再燃(中東・欧州)→金の急騰ボラ
  • 流動性後退(政府閉鎖やデータ欠落)→指標解釈の不確実性拡大。
  • ポジション過多(直近の大規模流入後)→ヘッジ解消の巻き戻しで乱高下。

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